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1.月<須永由江(すながゆきえ)>

written by 朝川 椛

 月を見ると彼のことを思い出す。
それはどんな月でもだ。
死んだ、自分の恋人、平岩文人(ひらいわふみと)。
自分の愛しい人が自分のことを好きだと言ってくれた時は確か三日月だった。



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2.キャンディー <綾木和彦(あやぎかずひこ)>

written by 朝川 椛

 叔父の綾木涼のポケットにはいつもお菓子が入っていた。
悲しい時、和彦が泣いていると決まって叔父がポケットから飴玉をくれたのだった。

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3.傘<平岩文人(ひらいわふみと)>

written by 朝川 椛

 由江と同棲を始めてから、文人は雨の日が待ち遠しい。
愛しい彼女を傘で迎えに行けるからだ。
自分には思いきり絵を描いて欲しいと言った彼女は、朝からドラッグストアのアルバイトに出かけている。

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4.天秤<須永園子(すながそのこ)>

written by 朝川  椛

 思えば園子は、生まれた時から天秤にかけられてばかりの人生だった。
自分の幸福と、自分の家の幸福。
どちらが重いか。
この2つについて周りの大人たちは、園子がまだ幼かった頃から口々に語って聞かせてくれた。
曰く、「家の方が重い」と。
あまりに小さな頃から言われて育ったため、園子はそのことを疑問にも思わなかった。

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5.人形<須永由江(すながゆきえ)>

written by 朝川  椛


 幼い頃、母の園子に人形を強請ったことがある。
それは子供から大人にまで人気の、立体型着せ替え人形だった。
長い髪にスレンダーなその人形を見た瞬間、欲しくて堪らなくなった。
だが、どんなに頼み込んでも母は買ってくれなかった。

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プロフィール

やどりぎ

Author:やどりぎ
ようこそ、
こちらはオリジナル小説
サークル『宿り木』の小説ブログです。
メンバーの
朝川 椛(あさかわもみじ)
と高木 一(たかぎはじめ)の
2人で100のお題をお借りし、
オリジナル小説を書いています。

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