13 混血 (雅仲)

 兄は獣人を嫌っている。

だから、いくら梅八家に忠実だからと言っても、

鶯と人とのハーフである吉田隆文を秘書にすると言って連れてきた時、

雅仲はひどく驚いた。

「嫌っているんじゃなかったんですか?」

 思い切って尋ねると、雅秋はちらりとこちらを見て頷きてきた。

「嫌いだな」

 ではなぜ、と目線で問うと、だが、と雅秋は続ける。

「利用価値はある。いろいろとな」

 穏やかすぎる笑みを浮かべて前方を見つめる雅秋に、

雅仲は言い知れぬ恐怖を感じた。 

「特に吉田はハーフだ。手なづけておくに限る、だろう?」

 さわやかに微笑み席を立つ兄へ、雅仲は何も言うことができなかった。


                                fin.
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Author:やどりぎ
ようこそ、こちらはオリジナル小説サークル『宿り木』の小説ブログです。
メンバーの朝川 椛(あさかわもみじ)と高木 一(たかぎはじめ)の2人で100のお題をお借りし、
オリジナル小説を書いています。

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