15 神 (文兎)

 神の存在を疑ったことはない。


それは、神にも等しい存在が文兎の前に鎮座していたから、

という、単純な事実ではなく。

何よりも誰よりも輝いた、かの存在と出会ってしまったからである。

 梅畑雅秋。

他人はみな現当主の美都子を特別な存在だと崇めているが、

文兎にとっては雅秋こそが崇めるべき対象だ。

そうでなければ、梅八家から飛びだした悟のように、

自分もこの黄梅市を出ていたかもしれない。

「すべては、雅秋様のために……」

 文兎は呟き、自室の席を立つ。

一つ溜め息をついて、今日もみのりの部屋へと向かった。


                            fin.
スポンサーサイト
プロフィール

やどりぎ

Author:やどりぎ
ようこそ、こちらはオリジナル小説サークル『宿り木』の小説ブログです。
メンバーの朝川 椛(あさかわもみじ)と高木 一(たかぎはじめ)の2人で100のお題をお借りし、
オリジナル小説を書いています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR