17 弱者 (悟)

 弱い者は嫌いだ。だが同時に、使い道はあると思う。


新入職員として、

一際背が低く頼りなさげな女性が部署に入ってきた時、

これは使えるとほくそ笑んだほどだ。

 だが、小越麻里(おごしまり)という女性は、

悟の予想以上に破天荒な人間であることがわかってきた。

そのせいで、自分の計画は狂いっぱなしである。

言われなければ何もやらない人間だとたかをくくっていた分、

突拍子もないことをされて面食らうことが多いからだ。

「小越麻里……、彼女は一体なんなんだ?」

 いつも小動物のように身体を震わせているくせに、

それでもどうしても曲げられない部分には猛然と立ちはだかってくる。

そんな彼女の内面一つひとつがどうしても気になって、

つい意味もない連絡をすることが増えてしまった。

「メールでも構わない内容なんだがな……」
 
 それでも必死で答えてくる麻里の声が聞きたくてたまらない。

悟は小さく溜め息をつき、

今日もまた携帯のアドレス帳から麻里の名を押すのだった。

                               fin.
スポンサーサイト
プロフィール

やどりぎ

Author:やどりぎ
ようこそ、こちらはオリジナル小説サークル『宿り木』の小説ブログです。
メンバーの朝川 椛(あさかわもみじ)と高木 一(たかぎはじめ)の2人で100のお題をお借りし、
オリジナル小説を書いています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR