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31 サディズム (雅仲)

 「何やってるんです? 兄さん」

 高校から真っ先に帰宅すると、

兄の雅秋が木の陰に佇んでいるのを見かけた。


不審に思って問いかけると、

雅秋がこちらを見やり庭を指をさす。

指先に倣って視線を移した目に飛び込んできたのは、

大きな青大将とその前で固まっている小さなひな鳥だった。

「兄さん! あれ、涼介のインコじゃないですか!

早く助けないと!」

 雅仲は慌てて駆け寄ろうとするも、後ろから肩を掴まれる。

「その必要はないよ」

「え?」

 眉を顰めて振り向いた先に、

どこか恍惚とした様子の雅秋の瞳があった。

「これは試練なんだ。あのインコにとっても、涼介にとってもね」

 歌うように言葉を紡ぎ、

これ以上ないほど柔和に微笑む長男の姿を前に、

雅仲は凍りついたようにその場で立ち尽くすほかなかった。

                    
                             fin.
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Author:やどりぎ
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サークル『宿り木』の小説ブログです。
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2人で100のお題をお借りし、
オリジナル小説を書いています。

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