41 白い鳥 (悟)

 ペットを飼いたいな、と昼休みになにげなく呟いたら、

翌日部下の香坂勇人(こうさかゆうと)が小鳥の雛をつれてきた。

「文鳥が卵をかえしたんですよ。

自分で育てようかとも思ったんですけど、ちょうどいいと思ったもので」

 嬉しげに語る香坂の手前、いまさら困るとも言えず、

家へ持ち帰って育てることニヶ月。

まだ鼻の頭に幼さが残るものの、

身体つきだけは立派な白い文鳥に成長した。

「職場にまでつれてくるなんて、

室長がこれほど動物好きとは知りませんでしたよ。

いやあ、譲った甲斐がありました」

 喜ぶ香坂をよそに、悟は文鳥を肩に乗せ、鳥籠の手入れをする。

「しかたないだろう。鳥だって生き物なんだから」

 苦り切って答えるも、すでに説得力はなく。

そういうことにしておきます、と含み笑う香坂を尻目に、

肩やら頭やらへ飛びまわる白い文鳥としばし戯れるのだった。

                            fin.
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ジャンル : 小説・文学

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メンバーの朝川 椛(あさかわもみじ)と高木 一(たかぎはじめ)の2人で100のお題をお借りし、
オリジナル小説を書いています。

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