46 孤独 (梅宮忠信)

「今日こそは、みのりを連れて帰るぞ」

 忠信はそう自分に言い聞かせながら、

今日もまた家から脱走した妹を連れ戻すべく山道を歩いていた。

 しばらくして、みのりの笑い声が聞こえてくる。

その楽しそうな声に、忠信は昔を思い出した。

 あれはまだ、みのりが獣人の紅を見つけるずっと前のことだ。

幼いみのりは、山で遊ぶことはもちろんなく、

誰もいない自室で1人寂しく遊んでいた。

その当時の自分は、自分の遊びを優先させてしまったが、

今思うとどれほど孤独だっただろう。

(少しだけ。もう少しだけ、見つからなかったことにしよう)

 あの頃の償いというわけではないが、

忠信は来た道を戻った。

(了)
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やどりぎ

Author:やどりぎ
ようこそ、こちらはオリジナル小説サークル『宿り木』の小説ブログです。
メンバーの朝川 椛(あさかわもみじ)と高木 一(たかぎはじめ)の2人で100のお題をお借りし、
オリジナル小説を書いています。

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