61 硝子 (雅秋)

 夜中、喉の渇きで目が覚めた。
 
水を飲みに行こうと起き上がり、妻が寝床にいないことに気づく。

トイレかと思い台所へ向かうと、入口から明かりが漏れている。

「どうした?」

 声をかけながら引き戸を開けたとたん、妻の絶叫が響きわたった。

「入っちゃだめ!」

「は?」

 目をしばたたかせしゃがんでいた妻を見つめる。

と、彼女が床からキラキラと輝く欠片を掲げてきた。

「コップ割ってしまったんです」

「そうか」

 雅秋は頷き、自分も床にしゃがみ込む。

硝子の破片を拾いあげながら、

なぜかなごやかな気分になる雅秋だった。

                           fin.
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テーマ : 自作小説(ファンタジー)
ジャンル : 小説・文学

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ようこそ、こちらはオリジナル小説サークル『宿り木』の小説ブログです。
メンバーの朝川 椛(あさかわもみじ)と高木 一(たかぎはじめ)の2人で100のお題をお借りし、
オリジナル小説を書いています。

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