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64 依存 (梅宮美都子)

 美都子の朝は昆布茶を入れることから始まる。

 お湯を注ぐと柔らかな昆布の香りが鼻をくすぐった。

湯気をふぅっと吹き飛ばすと、

昆布の匂いに隠れていた梅の香りが顔を出す。

一口すすると、程よい塩気が口の中に広がった。

(……おいしい)

 若い頃は、お茶と銘打っているにも関わらず

お茶らしくないこの梅昆布茶が苦手だった。

それが今では、これを飲まないと1日が始まらない気さえしてくる。

依存しているとまでは言わないが、

そんな自分の変わり様に内心で苦笑した。

(今日は確か、一族の集まりがあった日よね)

 美都子は残っている梅昆布茶を飲み干し、

当主の仮面を被るべく化粧室へと向かった。

(了)
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Author:やどりぎ
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