78 玩具 (狼谷朔夜)

 最近息子の様子がおかしい。

満の友人にそれとなく聞いてみると、

どうやら好きな子ができたようだ。

今までそんな話題が登ったことがなかった分、

信じらんない気持ちのほうが強かった。

「本当に? ちゃんと生きてる子?」

「えぇ、もちろんです。ただ長の一方通行で、
 お相手さんは長の存在自体知らないです」

 もう少し踏みだしてもよいと思うんですがね。

とどこか物足りなさげな顔をする鴉生を見て、

やっと本当のことなのだと実感できた。

(あの子らしいわ)

 満は小さな頃から、

好きなものには触れずに飾って愛でるという変な癖を持っている。

お気に入りになればなるほど、それは顕著になっていった。

(玩具と好きな子は違うって、わかってるのかしらね)

 朔夜は、息子のことを思い浮かべながら苦笑した。

(了)
スポンサーサイト
プロフィール

やどりぎ

Author:やどりぎ
ようこそ、こちらはオリジナル小説サークル『宿り木』の小説ブログです。
メンバーの朝川 椛(あさかわもみじ)と高木 一(たかぎはじめ)の2人で100のお題をお借りし、
オリジナル小説を書いています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR