90 瞳 (狼谷満)

その日も満は、

鴉生に頼んで撮ってきてもらった写真を眺めていた。

写真の中には、

生徒に向かって微笑みかけるあの人が映し出されている。

自分に向けられているわけではない。

わかっていても、

写真の中の彼女と瞳が合うたび胸が高鳴った。

この笑顔が実際に向けられたら自分はどうなってしまうのだろうか。

想像もつかない。

だが、今以上に幸せな気持ちになることは間違いないだろう。

「あー、どうすればいいんだ」

 会いにいくべきか、今のままでいるべきか。

満は、揺れ動く気持ちをどうすることもできず、

頭をかきむしった。

(了)
スポンサーサイト
プロフィール

やどりぎ

Author:やどりぎ
ようこそ、こちらはオリジナル小説サークル『宿り木』の小説ブログです。
メンバーの朝川 椛(あさかわもみじ)と高木 一(たかぎはじめ)の2人で100のお題をお借りし、
オリジナル小説を書いています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR