100 終焉(終章) (梅宮美都子)

(明日にはすべてが……)

 美都子は机の上に置いてある和綴じされた本を開いた。

 黄梅に住む民と黄金梅を守るために

東郷都との関係を切った豪傑であり、

自身が目標としてきた先々代当主、梅宮知保実(ちほみ)。

この本は、その彼女が当主だったとき休むことなく

書かれていた手記の1冊だ。

何度も読み返しているためすでに内容は覚えしまってはいる。

それでも何かの決断をするときに必ずこうして、

この手記を読み返すのだ。

 幼い頃から祖母を慕い。

自分が当主になるときには、

彼女のような当主になりたいとさえ思っていた。

だが、祖母が自分を見る目はいつも悲しそうで。

当主になったときでさえ、喜んではもらえなかった。

「お婆様、あの子に、みのりにだったら
 笑顔を向けてらっしゃいましたか?」

 美都子は最後まで読み終えた手記を閉じ、小さく呟いた。

(了)
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やどりぎ

Author:やどりぎ
ようこそ、こちらはオリジナル小説サークル『宿り木』の小説ブログです。
メンバーの朝川 椛(あさかわもみじ)と高木 一(たかぎはじめ)の2人で100のお題をお借りし、
オリジナル小説を書いています。

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