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2 キャンディー (想田麻紘)

written by 高木一

 それを発見したのは想田麻紘(そうだまひろ)がいつものように曾祖父の残した書物を読んでいる時だった。

「あ、これ! ひいお爺様が未四郎(みしろう)さんのお父様に教えた水飴薬だわ」
 曾祖父の弟子だった稲村未太郎(みたろう)は、この水飴薬を商品化し稲村商事を企業した。ふみの夫、未四郎はそこの副社長をしている。

「えっと、何々」

 麻紘は楷書で書かれた文字を指で滑らせながら文字を読み解いていく。

「水飴に、桔梗、薬用人参、麻黄、葛根、桂皮油を調合して……なるほど。喉の痛みを抑えるものや、咳止めに喀痰(かくたん)、発汗作用のあるものが入っているのね」

 これなら薬が苦手な人でも摂れるだろう。

「明日作ってみようかな」

 ちょうど今日、近所に住む岩崎としからもち米をもらったばかりだ。それを使えば水飴ができる。

「でも、小麦麦芽なんてあったかしら? 明日ばぁやに聞いてみなくっちゃ」

 小麦麦芽があればあとは砂糖と水だけなので水飴を作ることができる。多めに作っても、水飴だったらおやつになる。

 麻紘は水飴の甘さを想像しながらノートを取り出し、作り方を写し始めた。

〈了〉

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