13.オレンジジュース<須永瑠奈(すながるな)>
written by 朝川 椛
「ただいまー! あー! 暑かった!」
雑に靴を脱ぎ、瑠奈は三和土を上がる。
文句を言いながら洗面台で手を洗っていると、祖母の園子が笑顔で顔を出てきた。
「ただいまー! あー! 暑かった!」
雑に靴を脱ぎ、瑠奈は三和土を上がる。
文句を言いながら洗面台で手を洗っていると、祖母の園子が笑顔で顔を出てきた。
「暑かったでしょう? オレンジジュース凍らしてあるけど、どうする?」
「やった! 食べる食べる!」
夏になると園子は決まって即席のシャーベットを作ってくれていた。
メニューは日によって変わり、牛乳に砂糖を混ぜて凍らせたものであったり、
今日のようにオレンジジュースを凍らせたものであったりする。
瑠奈はどちらのシャーベットも好きだったが、
どちらかというと柑橘系であるオレンジジュースの方がより好みだったので、
テンションはMAXになっていた。
手を洗って台所へ向かうと、
テーブルにはスプーンと凍ったオレンジジュースが入ったコップが置かれている。
「召し上がれ」
「ありがとう! いただきまーす!」
目を細めている祖母に見守られながら表面にスプーンを突き立てると、
思った通り、中央はまだ液体のままだった。
「これこれ!」
瑠奈は鼻歌交じりに氷を崩し、液体と混ぜる。
程よく混ざりあったシャーベット状のオレンジジュースを口に含むと、
甘酸っぱい冷たさが口中に広がった。
「ゆっくり食べなさいよ」
クスクスと笑う園子の言葉に頷きながらも、瑠奈は夢中で大好物のそれに舌鼓を打つのだった。
了
「やった! 食べる食べる!」
夏になると園子は決まって即席のシャーベットを作ってくれていた。
メニューは日によって変わり、牛乳に砂糖を混ぜて凍らせたものであったり、
今日のようにオレンジジュースを凍らせたものであったりする。
瑠奈はどちらのシャーベットも好きだったが、
どちらかというと柑橘系であるオレンジジュースの方がより好みだったので、
テンションはMAXになっていた。
手を洗って台所へ向かうと、
テーブルにはスプーンと凍ったオレンジジュースが入ったコップが置かれている。
「召し上がれ」
「ありがとう! いただきまーす!」
目を細めている祖母に見守られながら表面にスプーンを突き立てると、
思った通り、中央はまだ液体のままだった。
「これこれ!」
瑠奈は鼻歌交じりに氷を崩し、液体と混ぜる。
程よく混ざりあったシャーベット状のオレンジジュースを口に含むと、
甘酸っぱい冷たさが口中に広がった。
「ゆっくり食べなさいよ」
クスクスと笑う園子の言葉に頷きながらも、瑠奈は夢中で大好物のそれに舌鼓を打つのだった。
了
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