16.Mission<野津好雄(のずよしお)>
written by 朝川 椛
野津好雄(のずよしお)の信条は19歳で定められた。
当時婚約したばかりだった嫁が、自分のよりも大事にしている須永のお嬢様と、
その一族をお護りすること。
野津好雄(のずよしお)の信条は19歳で定められた。
当時婚約したばかりだった嫁が、自分のよりも大事にしている須永のお嬢様と、
その一族をお護りすること。
何しろ数奇な運命を辿ってきた一族である。
辛い思いや悲しい思いも人一倍。
ありとあらゆる辛酸を舐めてきたあの須永の一族が、心安らかに暮らせていけるよう努める。
それこそが自分に課せられた任務だと信じている。
そのためには、なんでもする。
そうだ。
本当になんでも。
そのつもりで生きている。
今朝妻にそのことを伝えると、妻は嬉しげに、だが少し悲しげにも見える微笑で答えた。
「そうですねぇ。本当に。そうですとも」
だから老いた身体を鞭打って、今日も好雄は彼らのために生きていく。
了
辛い思いや悲しい思いも人一倍。
ありとあらゆる辛酸を舐めてきたあの須永の一族が、心安らかに暮らせていけるよう努める。
それこそが自分に課せられた任務だと信じている。
そのためには、なんでもする。
そうだ。
本当になんでも。
そのつもりで生きている。
今朝妻にそのことを伝えると、妻は嬉しげに、だが少し悲しげにも見える微笑で答えた。
「そうですねぇ。本当に。そうですとも」
だから老いた身体を鞭打って、今日も好雄は彼らのために生きていく。
了
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