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21 ヨーグルト (多部菊花)

written by 高木一

「伯母様、これなぁに?」

 まだ熱があるのだろう。麻紘が真っ赤にした顔で、土産として持ってきた凝乳(ヨーグルト)を指さした。

「これは牛乳を発酵させた凝乳というもので、とても栄養がございますのよ。麻紘さんに召し上がっていただきたくて購入して参りましたの」

 菊花が昨日想田家へ伺った時にはすでに麻紘は風邪をひいていた。子供はよく熱を出すものだとわかっている。それに自分が来たからといって何ができるわけでもない。それても心配で今日も来てしまった。せめて栄養のあるものを食べてもらいたい。その一心で凝乳を持ってきたのだが、麻紘が興味を持ってくれてよかった。
 麻紘はガラスの器に入れられた凝乳とこちらを交互に見ながら尋ねてくる。

「いいの?」
「ええ、もちろんですわ。蜂蜜もたっぷり入っておりますからね」
「ありがとう、伯母様!」

 どうやら食欲はあるらしい。嬉々とした表情で凝乳を食べ始める麻紘に、菊花はホッと胸をなで下ろした。

〈了〉

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