26.着物<須永いすず(すながいすず)>
written by 朝川 椛
曾孫の瑠奈が二十歳になったら家にある着物を着たいと言い出した。
別に悪いとは思わないが、その時代時代で流行り廃りもあるものだ。
心配になって問う。
曾孫の瑠奈が二十歳になったら家にある着物を着たいと言い出した。
別に悪いとは思わないが、その時代時代で流行り廃りもあるものだ。
心配になって問う。
「最近は古い着物を色々合わせを変えて着るのが流行ってるんだって」
などと宣う瑠奈に、いすずはそんなものだろうか、と首を傾げた。
自分たちの時代は新しい着物を作ってくれると言うと、
それだけで飛び上がるんばかりの気持ちになったものだが。
「最近の子はこんなものなのかしらねえ」
呟くと、孫の由江がくすりと笑った。
「最近明治や大正の頃のデザインが紋様が流行ってるのよ。再認識ってことね」
「そんなものですかねぇ」
いすずは由江が淹れてくれたお茶を啜りつつ、
久しぶりに雑誌でも見てみようかと考えるのだった。
了
などと宣う瑠奈に、いすずはそんなものだろうか、と首を傾げた。
自分たちの時代は新しい着物を作ってくれると言うと、
それだけで飛び上がるんばかりの気持ちになったものだが。
「最近の子はこんなものなのかしらねえ」
呟くと、孫の由江がくすりと笑った。
「最近明治や大正の頃のデザインが紋様が流行ってるのよ。再認識ってことね」
「そんなものですかねぇ」
いすずは由江が淹れてくれたお茶を啜りつつ、
久しぶりに雑誌でも見てみようかと考えるのだった。
了
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