28.ゴミ<綾木和彦(あやぎかずひこ)>
written by 朝川 椛
和彦はまだ1回生で、ゼミ生でもないのに今ゼミ室の掃除をさせられている。
いや、させられている、というより、立候補させられたのだ。
和彦はまだ1回生で、ゼミ生でもないのに今ゼミ室の掃除をさせられている。
いや、させられている、というより、立候補させられたのだ。
「お前がやっておけ」
という無言の圧力に耐えかねて、自ら手を挙げた。
それがほぼ強制であったのだとしても、あくまで立候補したのは自分である。
「うんしょ」
大きな紙ゴミが4束。
たった1枚の紙だったとしても、溜まればそれなりの重さになる。
「案外重いんだなあ」
知らなかったわけではないが、毎度紙ゴミをまとめる度に思わずにはいられない。
「うちのゼミもシュレッダー買えばいいのに」
ぶつくさ言うが、誰も聞いてはいない。
そもそも、今一度言うが、和彦はまだ「うちのゼミ」でもない身分である。
「割食ってるよなあ」
ぼやいてもどうにもならないので、
帰りに先輩から何か奢ってもらおうと思う和彦だった。
了
という無言の圧力に耐えかねて、自ら手を挙げた。
それがほぼ強制であったのだとしても、あくまで立候補したのは自分である。
「うんしょ」
大きな紙ゴミが4束。
たった1枚の紙だったとしても、溜まればそれなりの重さになる。
「案外重いんだなあ」
知らなかったわけではないが、毎度紙ゴミをまとめる度に思わずにはいられない。
「うちのゼミもシュレッダー買えばいいのに」
ぶつくさ言うが、誰も聞いてはいない。
そもそも、今一度言うが、和彦はまだ「うちのゼミ」でもない身分である。
「割食ってるよなあ」
ぼやいてもどうにもならないので、
帰りに先輩から何か奢ってもらおうと思う和彦だった。
了
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