29.自転車<須永瑠奈(すながるな)>
written by 朝川 椛
住んでいる土地柄、
瑠奈にとって自転車は自己の足と同じくらいなくてはならないものだ。
住んでいる土地柄、
瑠奈にとって自転車は自己の足と同じくらいなくてはならないものだ。
それなのに、パンクした。
やっぱり少し値段が張ってもパンクしにくいタイヤのものを買っておくべきだった。
あとで後悔したが、もう遅い。
「あそこで家建ててたからだ! 絶対!」
リフォームではなく新築住宅。
別にそれが羨ましいわけではない。
新しく家が増えることに文句がある訳ではなく、
そこで必ずと言っていいほど落ちている釘が、忌々しいのである。
「それでも昔よりは少なくなったってきいたけど。でもなあ!」
自転車屋へ向かいながら、瑠奈は1人頬を膨らませる。
引いていく自転車は重いし、自転車屋も遠い。
「あー! もう!」
誰が悪い訳でもないだけに、腹の虫が収まる気配はなく。
「帰りにアイスクリーム買っていこう!」
太ろうがなんだろうが食べるのだ。
がっついてやるから、と瑠奈は一人天に向かって吠えた。
了
やっぱり少し値段が張ってもパンクしにくいタイヤのものを買っておくべきだった。
あとで後悔したが、もう遅い。
「あそこで家建ててたからだ! 絶対!」
リフォームではなく新築住宅。
別にそれが羨ましいわけではない。
新しく家が増えることに文句がある訳ではなく、
そこで必ずと言っていいほど落ちている釘が、忌々しいのである。
「それでも昔よりは少なくなったってきいたけど。でもなあ!」
自転車屋へ向かいながら、瑠奈は1人頬を膨らませる。
引いていく自転車は重いし、自転車屋も遠い。
「あー! もう!」
誰が悪い訳でもないだけに、腹の虫が収まる気配はなく。
「帰りにアイスクリーム買っていこう!」
太ろうがなんだろうが食べるのだ。
がっついてやるから、と瑠奈は一人天に向かって吠えた。
了
スポンサーサイト