37.ソーダ <須永瑠奈(すながるな)>
written by 朝川 椛
近頃、瑠奈は炭酸水にハマっている。
近頃、瑠奈は炭酸水にハマっている。
毎日欠かすことなく飲んでいたら母の由江がソーダメーカーを買ってきた。
訊くまでもなく理由がわかったのですぐに母へ礼を言うと、
由江が首を横に振った。
「あなたのためだけじゃなくてね、私のために買ったのよ」
「そうなの?」
由江の言葉に、瑠奈は目を瞬かせる。
「そうよ。だってあなたが美味しそうに飲んでるから
私も飲んでみたくなっちゃって。
ほら、ダイエットにもいいって言われるてるし、ね」
「母さんはダイエットしなくても構わないでしょ」
むしろ少し太った方がいいほどほっそりしている。
「母さんはさ、少し何か食べた方がいいと思うよ」
「食べてるじゃない。ちゃんと」
「まあ、確かに……」
もはやどんな会話をしているのかも曖昧になり、瑠奈は手を横に振った。
「まあ、いいや。とにかくありがとう。私も使わせてもらうね」
「もちろんよ」
瑠奈は鼻歌交じりでソーダメーカーを操作し出す母を見やる。
やっぱりそれを買ってきたのは自分のためなのかもしれない。
そう思い、こそばゆい気持ちになるのだった。
了
訊くまでもなく理由がわかったのですぐに母へ礼を言うと、
由江が首を横に振った。
「あなたのためだけじゃなくてね、私のために買ったのよ」
「そうなの?」
由江の言葉に、瑠奈は目を瞬かせる。
「そうよ。だってあなたが美味しそうに飲んでるから
私も飲んでみたくなっちゃって。
ほら、ダイエットにもいいって言われるてるし、ね」
「母さんはダイエットしなくても構わないでしょ」
むしろ少し太った方がいいほどほっそりしている。
「母さんはさ、少し何か食べた方がいいと思うよ」
「食べてるじゃない。ちゃんと」
「まあ、確かに……」
もはやどんな会話をしているのかも曖昧になり、瑠奈は手を横に振った。
「まあ、いいや。とにかくありがとう。私も使わせてもらうね」
「もちろんよ」
瑠奈は鼻歌交じりでソーダメーカーを操作し出す母を見やる。
やっぱりそれを買ってきたのは自分のためなのかもしれない。
そう思い、こそばゆい気持ちになるのだった。
了
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